浮世絵とは?

元々浮世絵とはどういう意味なのか知らない人もいるかもしれませんが、これは「浮世」つまり「現実」を描いた絵という意味にもなりますし、「浮世」自体に「現代風」という意味合いもありますので、要するに現代風に当代の風俗に関して描く風俗画だったという訳です。これは一般的に多色刷りの木版画で大量生産された物で、大和絵の流れを汲んだ、総合的絵画様式として存在している物でした。その一方で、演劇、古典文学、風俗、和歌、地域の伝説や奇談、また肖像、風景、文明開化、皇室、宗教といった様々な題材を素にいて描かれます。特に肉筆の浮世絵師は、浮世絵と同時に和装本の挿絵や表紙の仕事も平行して行っていました。

当然、木版画が量産されるようになる以前には肉筆画のみしか存在しなかったわけで、巻物等の肉筆浮世絵も含まれます。肉筆浮世絵は、形式上、屏風絵、絵巻、画帖、掛け物、扇絵、絵馬、画稿、版下絵の8種類に大別されます。広義には引き札、鏝絵、泥絵、ガラス絵、凧絵 ねぶた絵等も浮世絵の一種といえるでしょう。

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浮世絵は庶民の為の芸術だった?

浮世絵は基本的に、木版になる前は、絵画、つまりは肉筆画となることがほとんどでした。しかしこれは一点物であることから、名のある絵師が描いた物は非常に高価な値が付きました。しかし、木版画の場合へ、同じ図柄の物をとにかく多く摺り上げることができ安価で、江戸時代の一般大衆もたやすく求められました。この頃の浮世絵一つの値段はというとおおよそ蕎麦一杯分が浮世絵一枚の値段に相当したそうです。

さらにこれらは有力者や大名等のコレクションが、現代の有数のコレクションに引き継がれているという見方もあります。

また、基本的に浮世絵版画は大衆文化の一部となっていたので、手にとって眺め、愛玩されるものでした。決して現代の美術品のように額に入れて遠目に見る物では無かったのです。まるでアイドルのブロマイドみたいですね。

ただ、実際に有名な歌舞伎役者の浮世絵もありましたので、あながち間違いでも無いかも知れません。その後、草双紙や絵巻物、また瓦版(新聞)の挿絵の役割も果たし、絵暦と呼称されるカレンダーの制作も行われ、絵の中に数字を隠す等様々な工夫を凝らしたものが作られた。江戸から国元への土産にも、その美しさと嵩の低さが喜ばれたそうです。玩具絵のように切り抜いて遊ぶという物もあり、まさに庶民の贅沢な娯楽というものになっていたのでした。

ちなみにこの時の浮世絵は、はっきりした図柄と大胆な構図、影の表現を持たないこと等が表現上の特性です。遠近法も取り入れられると、遠景の人物を逆に大きく描く北斎の『釣の名人』のように、意図的に遠近をずらされたものもあります。

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歴史

始期
 天文末期から明暦の大火の頃。木版の発生前でありますので、明確には浮世絵とはいえないかもしれないが、肉筆によって岩佐又兵衛らが当時の風俗画を描いていて、京都では、北村忠兵衛や辻村茂兵衛といったような絵師が清水寺に絵馬を奉納しています。
初期
 明暦の大火から宝暦の頃。初期の浮世絵は肉筆画と木版の単色刷り(墨摺絵)が主です。その後、墨摺絵に赤い顔料で着色した丹絵(たんえ)、紅絵(べにえ)、紅絵の黒い部分に膠を塗って光沢を出した漆絵(うるしえ)が登場、以上は全部筆による彩色でした。さらに紅絵に緑色等二、三色を版摺りによって加えた紅摺絵(べにずりえ)が登場します。錦絵登場の直前、輪郭線すらも墨を用いず「露草」の青とした水絵(みずえ)と呼称される、極端に彩度の低め多色刷りも生まれています。
中期
 明和2年(1765年)から文化3年(1806年)頃。鮮やかな多色刷りの東錦絵(吾妻錦絵、江戸絵)が編み出され、浮世絵文化が開花します。下絵師、彫師、摺師の分業体制が整っていく。
後期
 文化4年(1807年)から安政5年(1858年)頃。美人画、役者絵、武者絵のほか、旅行ブームに伴い名所絵(風景画)が発達。
終期
 安政6年(1859年)から明治45年(1912年)頃。幕末から明治にかけて、横浜絵、開化絵、錦絵新聞、皇室を描いた絵等、新しい時代の世情紹介に浮世絵が大きな役割を果たします。世相を反映した戦争絵も歓迎されたが、やがて浮世絵は、新聞、写真等他のメディアに押されて衰退していく。絵師は挿絵画家や日本画家に転じ、浮世絵の伝統は他のジャンルへと受け継がれていった。

芸術とデザイン、日本とジャポニズム!

かつて、日本の芸術は、浮世絵や琳派だけでなく、扇子や茶碗といったものまでが、様々な国に渡り、偉大な巨匠達の作品に影響を与えていきました。これを大まかにジャポニズム(日本趣味)と言いますが、今や日本のカルチャーは、そういった昔のものに限られず、日本的な要素を持つものが、必ずしもアートでないものにも用いられるようになっていっています。このサイトではそんな「今現在のネオ・ジャポニズム」と「かつてあったジャポニズム」について解説していきます。

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